先日MYCODEのセミナーを受講し、検査結果を見る際のポイントを
遺伝子カウンセラーに教えてもらいました!
マイコードの遺伝子検査を受けた結果の見方は?
結果をどのように解釈すれば良いか、何に役立つのか?
このあたりの疑問に対する説明をまとめてみたいと思います。
遺伝子カウンセラーに教えてもらった結果の見方
この3つの点を踏まえて結果を見ていきましょう。
1. 発症リスクが〇〇倍ってどういうこと?
発症リスクの算出方法について
例えば、発症リスクが1.5倍といわれてもどういうこと?
と感じる人もいるかもしれません。ここでは、どのように
〇〇倍という発症リスクを算出しているのかを説明します。
「発症リスクが日本人平均の〇〇倍」とは、平均的な日本人の
グループと、あなたの遺伝子型(遺伝子のタイプ)のグルーブを
比較して、その疾患になる人が何倍いるかを示しています。
平均的な日本人のグループ:
ある時点において、◯◯がんを発症していない100人に対して、
◯◯がんの人が3人。あなたの遺伝子型のグループ:
ある時点において、◯がんを発症していない100人に対して、
◯◯がんの人が6人。上記の平均的な集団の2倍の人数です。
このような結果になった場合、「平均的な日本人のグループ」と
比較して「あなた遺伝子型グルーブ」は「疾患発症リスクが2倍」
高いということになります。
※ 実際の研究では、数千〜数万人規模のグルーブを用いて解析した結果
を利用しています。
これらは論文データに基づいた統計的な結果なので、
「〇〇倍を超えたら絶対に発症する」というものではありません。
2. 検査項目ごとの患者数
マイコードでは、当該疾患だと診断され、継続的に医療を受けている人の
総数をそれぞれの検査項目ごとに表示しています。
以下の表で見ると、大腸がんの患者数が26万人と多いのがわかりますよね。
この場合どんなことが想定されるのかというと、リスクが低くても
患者数が多ければ、その病気にかかる確率は高くなるということです。
自分の場合は、大腸がんのリスクは1.44倍と高いのでさらに気をつけねば
ならないんですね。
3. 発症年齢・性別
それから、病気によっては発症年齢や性別に特徴があるものがあります。
アトピー性皮膚炎は、加齢とともに発症が減少します。
骨粗しょう症は94%が女性、痛風は95%が男性に多い病気。
リスクが高いという結果が出ても、年齢・性別に当てはまらないなら
発症の確率は低いと言えるでしょう。
リスクの高い疾患が心配
リスクが高い病気を予防するには?
病気を理解する、そして生活習慣を見直して予防することが大切です。
そもそも、遺伝子検査が示す発症リスクはあくまでも統計的な傾向で、
発症することが決まっているわけではありません。むしろ疾患に対して
先手を打ち、発症させない工夫と対策を講じるチャンスになり得ます。
なぜならマイコードの遺伝子検査は「遺伝要因」と「環境要因」の両方が
それぞれ関与している病気の発症リスクを取り扱っていて、「環境要因」を
コントロールすることで予防できる可能性があるからです。
したがって「リスクが高いから必ず発症する」「リスクが低いから発症しない」
ことを約束するものではありません。
しかし、だからといって安心することなく、疾患レポートべージに
載っている「日々の生活の中で意識すること」や予防キーワード
解説ぺージを読んで、生活習慣を見直したり、定期的な診・人間ドック
を受けるなどして、疾患の予防・早期発見に気をつけて下さい。
むしろ環境の要因で発症する?
遺伝子検査によってある疾患になる可能性が高い傾向にあることが
わかったとしても、残念ながらその遺伝子の情報を書き換えてしまう
ことはできません。だからといって悲観するのは早計なんですね。
糖尿病や高血圧、脂質異常症、心筋梗塞、脳梗塞、肥満症、がん。
これら命に関わる重大な生活習慣病の発症リスクや進行度合いに、
飲酒や喫煙、栄養バランス、食事のリズム、睡眠、運動、ストレス
といった環境要因が深く関係していることはいうまでもありません。
例で言えば、
糖尿病は「遺伝要因が26%」「環境要因が74%」 大腸がんは「遺伝要因が35%」「環境要因が65%」 乳がんは「遺伝要因が27%」「環境要因が73%」 前立腺がんは「遺伝要因が42%」「環境要因が58%」
遺伝的に危険性が高い場合はもちろん、たとえ低いと思われても、
これらのリスクを極力排除するために生活のあり方を見直すことは
極めて重要です。
遺伝子検査の解釈について
変わることのない遺伝情報
遺伝情報・DNAそのものは変わりませんが、遺伝情報の解釈の仕方
は変わるので、検査を受ける時期や受ける会社によって異なること
はあるでしょう。
タンパク質の設計図であるDNAは、A (アデニン) T (チミン)
G (ダァニン) C (シトシン)の4つの塩基から構成されますが、
このA/T/G/Cの並び方(=遺伝情報)は、基本的に一生変わる
ことのないあなただけの情報です。
しかし、DNAと疾患・体質との関連の解釈や評価は、研究の進展と
ともに変わる場合があります。
遺伝子の結果の評価が変わる可能性も
例えば、これまで特に意味を持たないと考えられていたある遺伝子上での
塩基配列が、実は並び方次第で特定の疾患のなりやすきを高める、という
ような研究結果が報告されており、このような遺伝子研究は今も世界中で
繰り広げられています。
つまり、現在の遺伝子情報の解釈・評価が、研究の進んだ未来においては、
別の解釈・評価がなされているということもあり得ます。
そのため、遺伝子検査サービスではいつのどの論文をもとに検査結果を
出しているのか、明らかにすることが検査の信頼性につながります。
※ MYCODEでは検査結果が研究成果の進展によって変わりうるという事実を
受け止め、可能な限り最新の研究成果を反映させた遺伝子検査結果を返す
努力をしています。
世界中での研究成果を門のチームが定期的に分析し、検査結果は定期的に
更新しています。検査結果の更新はWeb版で随時行っているのでぜひ確認下さい。
参照:MYCODE遺伝子検査レポートブック